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2011.08.07

米国債格下げで懸念される「囚人のジレンマ」

今日は長いこと見てみたかった、「長田の鉄人28号」を見に行ってきました。
早速記事にしたいところですが、写真の整理が終わっていません。
数日中に記事にするつもりなので、しばしお待ちを。


----------
「囚人のジレンマ」という話をご存知でしょうか。
簡単な例を挙げてみます。
 
容疑者AとBが捜査当局に逮捕された。当局は2人が共犯だと疑っているため、2人を互いに連絡が取れないようにした上で、両者に以下のように伝えた。
・2人とも黙秘した場合、共犯の事実が証明されないので、他の罪で2人とも懲役2年。
・2人とも自白した場合、共犯の事実が証明され、2人とも懲役10年。
・しかし1人だけ自白し他方は黙秘した場合、自白した方は情状を酌量され無罪放免、黙秘した方は悪質とみなされ懲役15年。
さあ、あなたが容疑者の1人だった場合、黙秘したほうが得?それとも自白したほうが得?


問題全体を見た場合、両者にとって最も得なのは懲役2年で済む「2人とも黙秘した場合」ですよね。
しかし容疑者Aの立場に立って考えてみるとどうでしょうか。
Bが黙秘しているのか自白したのかをAは知ることができません。
 
・Bが黙秘した場合、自分が黙秘すると自分は懲役2年、自白すると無罪放免。
-> なので「自白したほうが得」。
 
・Bが自白した場合、自分が黙秘すると自分は懲役15年、自白すると懲役10年。
-> なので「自白したほうが得」。
 
よって、Bが黙秘しようが自白しようが、Aにとっては「自白したほうが得」となります。
容疑者Bの立場でも同様のことがいえるので、Bにとっても「自白したほうが得」となります。
つまり両者にとって最も得になる「2人とも黙秘」ではなく、より不利益になる「2人とも自白」が選ばれてしまうのです。


さて話は変わるようですが、先週末に歴史上初めてアメリカ国債の格付けが最上級の評価から格下げされるという事態が起きました。
なんといっても「歴史上初めて」のことですから、週明け月曜からの金融市場がどのように反応するのかが注目されています。
報道などを見ていると、「格下げは想定されていたことだから大きな影響は出ない」との意見が専門家には多いようです。
世界経済に与える影響を考えると、金融市場が「米国債暴落」のような大きな反応を示さないことが、世界経済にとっては最も良い反応でしょう。


しかしここで「囚人のジレンマ」です。
米国債を持つ機関投資家にとって、米国債を売ったほうが得?それとも売らないほうが得?


もし他の機関投資家が米国債を売って価格が下がるような事態になりそうだとすると、こちらも早く売らないと損失を出してしまいます。
よって我も我もと売りが広がって、最も起きてはならない「米国債暴落」という事態に...?
その結果、円が急騰して、ただでさえ弱い日本経済に決定的なダメージを与えるような事態になる...かも?


しかしこの問題、オリジナルの囚人のジレンマと違う点が1つあります。
「他の機関投資家の行動を知ることができる」ということです。
他の機関投資家が米国債を売っていないとわかった場合には、自身も「売らない」という選択をすることができます。
この場合「米国債暴落」という最悪のシナリオは避けることができます。
誰であっても「自分が売ったことが引き金になって米国債の暴落を招いた」という不名誉は避けたいと思うでしょうし、「結局米国債以上に信頼できる投資先はない」という点も売りに対する圧力として働くでしょう。
暴落の引き金となる「最初の大きな売り」が出なければ、他の投資家も売りをかけず、暴落は杞憂に終わることが期待できます。


しかし売りが全く出ないことはありえないわけで、もしもその「売り」が「大きな売り」だと誤って解釈されたら...
囚人のジレンマの容疑者AとBのように、互いを疑心暗鬼で見ているような状況であるならば、ちょっとした「売り」を「大きな売り」と誤解することは十分にあるわけで。
また最近はやり(?)のコンピューターによる自動取引システムだと、「世界経済に与える影響」「暴落を招いた張本人という不名誉」なんてものは考慮してくれません。
人間では考慮しないような市場のわずかの変化でも、「自身の損失を防ぐため」と判断すれば、容赦なく売りをかけてくることは過去の例が証明しています。


私のようないち素人が金融市場の動向を予測することなどとてもできません。
しかも現状は「歴史上初めて」の事態ですから、たとえ専門家の言であってもそのまま鵜呑みにすることはできません。
今はひたすら市場参加者が冷静な反応をしてくれることを願うだけです。
そしてこの「歴史上初めて」の事態の目撃者になれたことを「幸運だった」と思えるようになってほしいものです。


結論:人間の思考が集まって作られている金融市場の動きというものを、人間の思考では予測できないなんて...
 


・8/24 追記
私の心配はまるっきり外れたようです。
米国債格下げ後に世界的に株価が大きく下がりましたが、報道などを見ていると以下のような流れがあったようです。
 
米国債格下げ
-> 米国の景気が今後悪くなると予想
-> なら株価が下がるはずなので早めに売ろう
-> 売った金は株より安全なものに移そう
-> ならばやっぱり安全なのは米国債!
 
「米国債格下げで米国債売り」を心配していたのに、逆に「米国債買い」が進むなんて...
専門分野(コンピュータ)についてもよくわかっていないのに、専門外のことがわかるわけはなかった。反省。

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